もしかして払いすぎ?不要な保険と過剰な保障を見つけて保険料を賢く節約する方法
保険料の負担は、家計にとって小さくないものです。特に、現在の契約が自分に合っているのか分からない、無駄があるのではないかと感じている方もいらっしゃるかもしれません。知らず知らずのうちに、不要な保険や過剰な保障に保険料を払い続けている可能性も考えられます。
この記事では、ご自身の保険契約を見直し、不要な部分や過剰な保障を見つけるための具体的な方法と、それによって保険料を賢く節約するためのヒントを分かりやすく解説します。現在の保険に疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
なぜ不要な保険や過剰な保障が生まれるのでしょうか?
保険に加入した当時は必要だった保障も、時間の経過や環境の変化によって、不要になったり、必要以上に手厚くなったりすることがあります。その主な理由としては、以下のようなケースが考えられます。
- ライフステージや家族構成の変化: 結婚、出産、子供の独立、退職など、人生の節目で必要な保障額は変わります。例えば、子供が独立すれば、子供のための保障は不要になる場合があります。
- 収入や貯蓄状況の変化: 収入が増えたり、十分な貯蓄ができたりした場合、万一の際に必要となる保障額が当初よりも少なくて済む可能性があります。
- 複数の保険への加入: 異なる時期や目的で複数の保険に加入した結果、同じリスクに対する保障が重複していることがあります。特に特約などで重複が起こりやすい傾向があります。
- 公的制度の理解不足: 日本には充実した公的医療保険や公的年金制度などがあり、万一の際の一定の保障はこれらでカバーされます。これらの制度でカバーされる部分を考慮せず、保険で手厚く備えすぎている場合があります。
- 内容を十分に理解せず加入: 保険の内容を十分に理解しないまま勧められるままに加入し、自分にとって不要な保障や特約が含まれているケースです。
- 漠然とした不安からの過剰な備え: 将来への漠然とした不安から、必要以上に手厚い保障を契約してしまうケースです。
これらの理由により、現在の状況に合わない保険契約になっている可能性が考えられます。
不要な保険や過剰な保障を見つけるためのステップ
ご自身の保険契約に無駄がないか確認するには、現在の状況と契約内容を照らし合わせてみる必要があります。以下のステップで進めてみましょう。
ステップ1:現在加入している保険契約の全体像を把握する
まずは、ご自身が現在加入しているすべての保険契約を確認してください。保険証券や契約内容通知書を手元に用意しましょう。
- どのような保険に加入しているか? (例:生命保険、医療保険、がん保険、学資保険など)
- それぞれの保険で、どのような保障内容になっているか? (例:死亡保険金、入院給付金、手術給付金、三大疾病に対する保障など)
- 保障金額はいくらか?
- 保険期間はいつまでか?
- 保険料はいくらか?
- どのような特約が付いているか?
複数の保険会社と契約している場合は、すべての契約を一覧にすると全体像が見えやすくなります。
ステップ2:現在の自分にとって必要な保障を洗い出す
次に、現在のライフステージや家族構成、収入、貯蓄状況などを踏まえ、万一の際にどのくらいのお金が必要になるかを考え、必要な保障額を洗い出します。
- 万一(死亡)の場合: 家族の生活費、教育費、住居費(ローンなど)、葬儀費用などを考慮し、遺族が必要とする金額を見積もります。ただし、遺族年金などの公的給付も考慮に入れることが重要です。
- 病気やケガの場合: 入院費用、手術費用、通院費用、働けなくなった場合の収入減などを考慮します。日本の公的医療保険には高額療養費制度があり、医療費の自己負担には上限が設けられています。この制度でどこまでカバーされるかを知っておくことが大切です。
- 三大疾病(がん、心疾患、脳卒中など)の場合: 治療費、療養期間中の生活費、復職への備えなどを考慮します。
- 介護が必要になった場合: 介護費用、介護のためのリフォーム費用などを考慮します。公的介護保険制度でどこまでカバーされるかも確認しましょう。
このように、万一のリスクが発生した際に、公的制度でカバーされる部分、貯蓄や資産で対応できる部分を差し引いて、「保険で備えるべき金額」を具体的に考えます。
ステップ3:ステップ1とステップ2を比較し、過不足・重複がないか確認する
ステップ1で把握した現在の保険契約の保障内容と、ステップ2で洗い出した必要な保障を比較します。ここで、不要な保険や過剰な保障が見えてくることがあります。
特に以下の点をチェックしてみてください。
- 保障の重複: 同じリスクに対して、複数の保険で同じような保障が付いていないか? 例えば、医療保険とがん保険で入院給付金が重複している、生命保険の特約で死亡保障が過剰になっている、などです。重複している分、無駄な保険料を支払っている可能性があります。
- 過剰な保障額: 必要と考える保障額に対して、現在の保障額が明らかに多すぎないか? 特に死亡保障や入院給付金などで、家族構成の変化や貯蓄の増加によって必要額が減っているにもかかわらず、保障額が高いままになっていないか確認しましょう。
- 必要性の低い特約: 加入時にはなんとなく付けたけれど、現在の状況やリスクの度合いを考えると、あまり必要性が感じられない特約が付いていないか? 特約は保険料負担を増やす要因の一つです。
- 公的制度とのバランス: 公的制度でカバーされる部分を十分に理解せず、その上から手厚すぎる保険をかけていないか?
不要な保険や過剰な保障を整理・見直す方法
不要な保険や過剰な保障が見つかった場合、いくつかの方法で整理・見直しを行うことができます。
- 解約: 不要になった保険契約そのものを解約する方法です。ただし、解約返戻金がない場合や、元本割れするリスク、将来的に保険に再加入しにくくなる可能性などを考慮が必要です。
- 減額: 保障額を減らす方法です。例えば、死亡保障額を必要最小限に減らすことで、保険料を抑えることができます。減額した場合、解約返戻金の一部を受け取れる場合もあります。
- 特約の解約: 不要な特約だけを解約する方法です。主契約はそのまま継続しつつ、保険料負担を減らすことができます。
- 払済保険: 今後の保険料の支払いを中止し、その時点での解約返戻金をもとに、保険期間は当初のままで保障額を減らした保険に変更する方法です。
- 延長定期保険: 今後の保険料の支払いを中止し、その時点での解約返戻金をもとに、保障額は当初のままで保険期間を短縮した定期保険に変更する方法です。
これらの方法を検討する際は、それぞれのメリット・デメリット、そして見直し後の保障内容が現在のニーズに合っているかを慎重に判断することが大切です。特に、一度保障を減らしたり解約したりすると、後から元の保障に戻すことは難しい場合が多い点に注意が必要です。
保険料を賢く節約するためのその他の視点
保障内容の見直し以外にも、保険料負担を軽減するための視点はいくつかあります。
- 保険期間と保険料払込期間: 保険期間を短く設定したり、保険料払込期間を早期に終えるように設定したりすることで、総支払保険料が変わってくる場合があります。
- 保険会社のタイプ: 保険会社には相互会社や株式会社、あるいは共済など様々な形態があり、商品の設計思想や保険料水準に違いが見られることがあります(あくまで一般的な傾向です)。ネット生保など、販売チャネルの違いで保険料が抑えられている場合もあります。
- 健康状態に応じた割引: 健康状態が良好な場合、保険料が割引される商品もあります。
- 保険料の支払い方法: 月払いよりも年払い、あるいは一時払いの方が総支払保険料が安くなる設計になっている商品も多くあります。
これらの視点も参考に、ご自身の状況に合った方法で保険料負担を軽減できないか検討してみましょう。
見直しを進める上での注意点
保険の見直しは、ご自身の将来の安心に関わる重要な判断です。見直しを進める際には、以下の点に注意してください。
- 保障の空白期間を作らない: 現在の保険を解約する前に、新しい保険への加入や見直し後の保障内容が確定しているか確認しましょう。保障の空白期間が生まれると、その間に万一のことがあった場合に無保障になってしまいます。
- 安易な解約は避ける: 特に加入から間もない時期の解約は、解約返戻金がまったくないか、あってもごくわずかであることがほとんどです。また、健康状態によっては新しい保険に加入しにくくなる可能性もあります。
- 契約内容を十分に理解する: 見直し後の契約や新たに検討する保険の保障内容、保険料、告知義務などをしっかりと理解することが不可欠です。分からないことは必ず質問し、納得した上で判断しましょう。
- 複数の選択肢を比較検討する: 一つの保険会社や商品に絞らず、複数の会社の提案や商品を比較検討することが、ご自身に最適な保険を見つける上で重要です。
- 専門家への相談も検討する: 保険の見直しは複雑に感じられることもあります。必要であれば、保険の専門家であるファイナンシャルプランナーや保険相談窓口などに相談し、アドバイスをもらうことも有効です。
まとめ:自分にとって最適な「パーソナライズ保険」を見つけるために
保険は、万一のリスクからご自身や大切な家族を守るための重要な備えですが、必要以上の保障に保険料を払い続けることは、家計にとって負担となります。
今回ご紹介したステップを参考に、ぜひ一度ご自身の保険契約を確認し、現在の状況に合っているか、不要な部分や過剰な保障がないかを見直してみてください。ご自身のライフステージや家族構成、家計状況に合わせて、本当に必要な保障だけに絞り込むことが、保険料を賢く節約し、自分にとって最適な「パーソナライズ保険」を見つけるための第一歩となります。
保険の見直しは一度行えば終わりではありません。定期的に契約内容を確認し、その都度必要に応じて見直すことが、変化する人生において常に最適な備えを維持するために大切です。
当サイト「パーソナル保険ナビ」は、あなたが自分に最適な保険を見つけるための一助となる情報提供を目指しています。この記事が、ご自身の保険について考えるきっかけとなり、賢明な選択に繋がることを願っております。