自分に本当に必要な保障はどれ?主要な保険の種類と役割を分かりやすく解説
保険について考え始めると、「生命保険」「医療保険」「がん保険」など、さまざまな種類があって、どれを選べば良いのか迷ってしまうことはないでしょうか。自分にとって本当に必要な保障は一体どれなのか、不要な保障に保険料を払いすぎていないか、心配になることもあるかもしれません。
この記事では、自分に最適な保険を選ぶための第一歩として、主要な保険の種類とその役割を分かりやすく解説します。それぞれの保険がどのような目的で、どのようなリスクに備えるものなのかを理解することで、ご自身に合った保険選びのヒントを見つけていただければ幸いです。
なぜ保険の種類を知ることが大切なのでしょうか?
保険は、予期せぬ出来事が起きたときに、ご自身やご家族の生活を経済的に支えるための大切な備えです。しかし、数ある保険の中から「自分に合ったもの」を選ぶためには、それぞれの保険がどのような「役割」を持っているのか、どのような「リスク」に対応しているのかを知ることから始める必要があります。
保険の種類や仕組みを理解せずに選んでしまうと、必要のない保障に入って保険料を払い続けたり、逆に本当に備えたかったリスクに対して保障が足りなかったりする可能性があります。自分に必要な保障を過不足なく準備するためにも、まずは基本となる保険の種類を確認していきましょう。
主要な保険の種類とそれぞれの役割
ここでは、多くの方が検討される機会のある主要な保険の種類をご紹介します。
生命保険(死亡保険)
- 役割: ご契約者様(被保険者)が亡くなられた際に、ご遺族が経済的に困窮しないように、死亡保険金を受け取ることができる保険です。主に、残されたご家族の生活費や教育費、住居費などのために活用されます。
- どのようなリスクに備える?: 万が一のことが起きた際に、一家の収入が途絶えてしまうリスクや、残されたご家族が経済的に自立するまでの生活費のリスクに備えます。特に、小さなお子様がいらっしゃるご家庭や、配偶者の方に経済的な負担がかかる可能性がある場合に、その必要性が高まる傾向にあります。
- 種類:
- 定期保険: 一定の保険期間中だけ保障が得られるタイプです。期間が満了すると保障はなくなりますが、保険料は比較的抑えられます。
- 終身保険: 一生涯にわたって保障が続くタイプです。解約払戻金が貯まる性質を持つものもありますが、一般的に定期保険よりも保険料は高くなります。
- 養老保険: 一定期間の保障と、満期時に保険金を受け取れる貯蓄の性質を併せ持つタイプです。
医療保険
- 役割: 病気や怪我で入院したり、手術を受けたりした際に、医療費の自己負担分や、入院中の雑費、差額ベッド代などを保障する保険です。
- どのようなリスクに備える?: 予期せぬ病気や怪我による、医療費の負担リスクや、入院・治療によって収入が減少するリスクに備えます。日本の公的な医療保険制度(健康保険など)では、医療費の自己負担割合は一般的に3割ですが、高額になった場合には「高額療養費制度」によって自己負担額には上限が設けられています。医療保険は、この公的保障でカバーしきれない自己負担分や、食費、差額ベッド代など、高額療養費制度の対象とならない費用を補填する役割が期待できます。
- 主な給付金: 入院給付金(入院日数に応じて支払われる)、手術給付金(手術の種類に応じて支払われる)などがあります。
がん保険
- 役割: がんと診断されたり、がんの治療を受けたりした場合に特化して保障する保険です。医療保険の一種とも考えられますが、がん治療には特徴的な費用(長期にわたる通院、抗がん剤治療、先進医療など)がかかる場合があるため、がんに特化した保障が用意されています。
- どのようなリスクに備える?: がんに罹患した場合の、医療費、治療が長期化することによる収入減、精神的な負担に伴う経済的な備えなどのリスクに特化して備えます。がんと診断された時点で一時金を受け取れるタイプや、特定の治療(抗がん剤治療、放射線治療など)を受けた場合に給付金が支払われるタイプなど、さまざまな保障内容があります。
就業不能保険(所得補償保険)
- 役割: 病気や怪我で長期間働けなくなり、収入が減少または途絶えてしまった場合に、毎月一定額の給付金を受け取ることができる保険です。
- どのようなリスクに備える?: 働けなくなったことによる収入の減少リスクに備えます。病気や怪我による入院だけでなく、自宅療養で働けない場合も保障の対象となることがあります。公的な保障としては、健康保険の「傷病手当金」などがありますが、支給期間や金額には制限があります。就業不能保険は、公的な保障で不足する部分や、自営業などで公的な保障が限定的な場合の収入減をカバーする役割が期待できます。
自分に必要な保障を見極めるための考え方
これらの保険の種類を知った上で、次に大切なのは「では、自分には何が必要なのか?」を考えることです。必要な保障を見極めるためには、以下の点を整理してみましょう。
-
ご自身の「万が一」に備えたいリスクを考える:
- ご自身が亡くなった場合、残されたご家族の生活はどうなるでしょうか?(収入は?、お子様の教育費は?)
- 病気や怪我で入院・手術が必要になった場合、医療費の自己負担はどのくらいになりそうでしょうか?
- がんに罹患した場合、治療費や治療中の生活費の心配はありますか?
- 病気や怪我で長期間働けなくなった場合、収入はどうなりますか?貯蓄でカバーできますか?
-
公的な保障制度を確認する:
- 日本の医療制度は充実しており、健康保険の高額療養費制度などで医療費の負担は一定額に抑えられます。
- 会社員や公務員の方は、病気や怪我で働けない期間に傷病手当金を受け取れる場合があります。
- ご自身が亡くなった場合、遺族年金が支給される制度もあります。
- これらの公的な保障で「どこまでカバーされるのか」を知ることで、民間の保険で備えるべき「不足分」が見えてきます。
-
現在の資産状況を確認する:
- 現在の貯蓄や収入で、もしもの時の支出や収入減をどのくらいカバーできるかを確認します。
- 必要な保障額は、公的な保障とご自身の資産でカバーできない部分を補うという視点で考えます。
これらの要素を考慮して、ご自身が特に備えたいリスクと、公的な保障や資産でカバーしきれない部分に対して、どのような保険の種類で、どのくらいの保障を準備する必要があるのかを検討していくことが、自分に合った保険選びの第一歩となります。
複数の保険を組み合わせて「パーソナライズ」する考え方
保険選びは、単に一つの保険に入るということだけではありません。生命保険で万が一に備えつつ、医療保険で病気や怪我に備える、さらにがんに特化した保障を手厚くしたい場合はがん保険を組み合わせるなど、複数の保険を組み合わせて、ご自身の状況や考え方に合わせた「パーソナライズ」を行うことが重要です。
保険会社によって、同じような種類の保険でも保障内容や保険料は異なります。複数の保険会社の商品を比較検討することで、ご自身にとって最もバランスの取れた保障を見つけることができる可能性が高まります。保険料だけでなく、どのような場合に給付金が受け取れるのか、保障はいつまで続くのか、といった点も確認することが大切です。
まとめ
この記事では、自分に合った保険を見つけるために知っておきたい主要な保険の種類とその役割について解説しました。
- 生命保険 は万が一の際の家族の生活保障。
- 医療保険 は病気や怪我による医療費や入院費の備え。
- がん保険 はがんに特化した保障。
- 就業不能保険 は病気や怪我で働けなくなった際の収入減の備え。
これらの保険がどのようなリスクに対応しているのかを理解し、ご自身の家族構成やライフステージ、収入、貯蓄、そして公的な保障制度などを踏まえて、「自分にとって本当に必要な保障は何か」を考えることが、賢明な保険選びの第一歩となります。
自分に必要な保障は一人ひとり異なります。この記事が、ご自身の保険について考えるきっかけとなり、最適なパーソナライズ保険を見つけるための一助となれば幸いです。