将来の不安に備える!リスクから考える自分に合った保険の選び方
将来の漠然とした不安…何に備えればいい?保険選びの新しい視点
「将来が漠然と不安だけれど、どんな保険に入ればいいのか分からない」「保険料が高くて家計の負担になっているけれど、保障を減らして大丈夫?」
このように、保険について悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。人生には、病気やケガ、万が一のことが起こり、経済的に大きな負担が発生するリスクが潜んでいます。これらのリスクに備えるために保険は有効な手段ですが、「自分にとって本当に必要な保険は何か」を見つけるのは容易ではありません。
本記事では、将来起こりうる様々なリスクの種類に目を向け、それぞれのリスクに対してどのように備えるべきか、そして自分に合った保険をどのように見つけていくかを分かりやすく解説します。この視点を持つことで、漠然とした不安を具体的に捉え直し、本当に必要な保障だけを効率的に準備できるようになります。無駄をなくし、賢く保険を選びたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
保険選びの第一歩:どんな「リスク」に備えるかを考える
保険は、多くの人が少しずつお金を出し合い、万が一のことが起こった誰かを助ける「相互扶助」の仕組みです。つまり、保険で備える対象は「起こる可能性は低いかもしれないが、もし起こったら自分や家族の生活が経済的に立ち行かなくなるような大きな出来事」、すなわち「リスク」です。
保険を選ぶ際には、まず「自分や家族の人生に、どのようなリスクがどの程度の大きさで影響する可能性があるか」を具体的に考えることから始めるのが重要です。
人生で起こりうる主な経済的リスク
人生には、様々な経済的リスクが存在します。代表的なものとしては、以下のようなものが考えられます。
- 病気やケガで医療費がかかるリスク:
- 入院や手術などにより、高額な医療費が発生する可能性があります。
- 先進医療など、公的な医療制度の対象外となる治療費用も考えられます。
- 病気やケガで働けなくなり、収入が途絶える・減少するリスク:
- 病気やケガの治療、療養期間中、仕事ができず、収入が大幅に減ったり途絶えたりする可能性があります。
- 収入が途絶えても、毎月の生活費や住宅ローンなどの支出は続きます。
- 死亡するリスク:
- 一家の働き手が亡くなった場合、残された家族の生活費や子供の教育費などが不足する可能性があります。
- 遺族は、悲しみに加えて経済的な困難にも直面することになります。
- 高齢になり介護が必要になるリスク:
- 要介護状態になった場合、自宅介護の費用や施設入居の費用など、まとまった費用が必要になることがあります。
- 介護期間が長期にわたる可能性も考えられます。
- 他人に損害を与えてしまい、賠償責任を負うリスク:
- 日常生活において、誤って他人の物を壊したり、他人にケガをさせてしまったりして、法律上の損害賠償責任を負う可能性があります。(例:自転車で通行人にぶつかる、子供がお店の商品を壊すなど)
- 自然災害により、家や財産に損害が出るリスク:
- 地震や台風、水害などにより、大切な自宅や家財が損壊し、再建や修理に大きな費用がかかる可能性があります。
これらのリスクは、すべての人に等しく降りかかるわけではありませんし、その影響の大きさも、ご自身の年齢、家族構成、職業、収入、貯蓄額、お住まいの地域などによって大きく異なります。
公的な制度でどこまでカバーされる?
民間の保険を検討する前に、私たちは既に国が用意している様々な「公的な制度」によって、これらのリスクに対してある程度の備えができていることを知っておくことが重要です。
例えば、
- 病気やケガの医療費: 公的医療保険(健康保険や国民健康保険)により、医療費の自己負担割合は原則として3割(年齢によって異なる場合があります)に抑えられています。さらに、ひと月の医療費が高額になった場合には、「高額療養費制度」により、自己負担額に上限が設けられています。
- 働けなくなった時の収入減少: 病気やケガで働けなくなった場合、加入している公的な制度によっては「傷病手当金」や「障害年金」を受け取れる場合があります。
- 一家の働き手が亡くなった場合: 遺族は「遺族年金」を受け取れる場合があります。
- 介護が必要になった場合: 公的介護保険により、介護サービスの費用の一部が給付されます。
これらの公的な制度があるため、民間の保険ですべてのリスクをカバーする必要はありません。まずは公的な制度でどこまで備えられるのかを知り、それでも不足する部分や、ご自身が特に備えたいと考えるリスクに対して、民間の保険で補うという考え方が、無駄なく合理的な保険選びにつながります。
リスクと必要な保障を紐付ける:自分に合った保険の見つけ方
公的な制度だけではカバーしきれない部分や、ご自身の状況に応じて特に備えたいリスクが見えてきたら、それに対応する民間の保険を検討します。リスクと主な保険の種類を紐付けると、以下のようになります。
- 病気やケガの医療費リスク: 医療保険(入院給付金、手術給付金など)、がん保険、特定疾病保険
- 病気やケガで働けなくなるリスク: 就業不能保険、所得補償保険
- 死亡リスク: 生命保険(死亡保険金)
- 介護リスク: 介護保険(民間の介護保険金)
- 他人に損害を与えるリスク: 個人賠償責任保険(火災保険や自動車保険の特約として加入できることが多いです)
- 自然災害リスク: 火災保険、地震保険(火災保険とセットで加入します)
これらの保険の種類の中から、ご自身が備えたいリスクに対応するものを選び、さらに具体的な保障内容や保険金額(万が一の際に受け取れる金額)を検討します。
自分に合った保障額・期間を考える
保険金額や保障期間は、リスクが現実になった場合に「どれくらいの経済的負担が発生するか」「公的な制度でいくらカバーされるか」「不足分をいくら保険で補いたいか」を具体的に計算して決めます。
例えば、死亡保険であれば、「残された家族の生活費」「子供の教育費」「住居費」など、将来必要になるであろう費用から、公的な遺族年金や遺族の収入、貯蓄などを差し引いて、不足する金額を死亡保険金で準備するという考え方が一般的です。
医療保険であれば、公的医療保険の高額療養費制度を使っても自己負担がいくらくらい発生しそうか、差額ベッド代や先進医療費、通院交通費など、健康保険適用外の費用にいくら備えたいかを検討します。
この「必要保障額」は、ご自身のライフステージ(独身、結婚、子育て、リタイアなど)や家族構成、収入、資産状況などによって常に変化します。そのため、保険は一度加入したら終わりではなく、定期的な見直しが重要になります。
リスクから考えるパーソナル保険選びのステップ
ここまでの考え方を踏まえると、リスクから始める自分に合った保険選びは、以下のステップで進めることができます。
ステップ1:ご自身の現状と将来の状況を把握する 今の家族構成、収入、支出、貯蓄、住宅ローンなどの負債、そして将来のライフプラン(結婚、出産、マイホーム購入、転職、リタイアなど)を整理してみましょう。
ステップ2:想定されるリスクと、ご自身の状況を踏まえた影響度を考える 前述した主なリスク(病気・ケガ、死亡、介護、就業不能、賠償責任、自然災害など)が、ご自身の状況で起こった場合、どの程度経済的に影響があるかを考えてみましょう。特に、公的な制度だけではカバーしきれないと感じる部分に注目します。
ステップ3:公的制度でカバーされる範囲を知る ご自身が加入している公的な制度(健康保険、厚生年金・国民年金、介護保険など)の内容を簡単に確認し、ステップ2で考えたリスクに対してどの程度の保障があるかを把握します。詳細が分からなくても、「病気になったら高額療養費制度がある」「働けなくなったら傷病手当金や障害年金がある可能性がある」「亡くなったら遺族年金がある可能性がある」といった概略だけでも知っておくと良いでしょう。
ステップ4:不足分を補うための民間の保険を検討する ステップ2で考えたリスクの影響度と、ステップ3で確認した公的制度のカバー範囲を踏まえ、民間の保険でどのリスクに、どれくらいの保障が必要かを検討します。必要に応じて、複数の保険会社や商品の情報を集め、保障内容を比較検討します。
ステップ5:保険料負担と保障内容のバランスを調整する 希望する保障内容の保険が見つかったら、保険料が家計にとって無理のない範囲かを確認します。保険料が高すぎる場合は、保障額や保障期間を調整したり、保険の種類を見直したりして、ご自身にとって最適なバランスを見つけましょう。保険料を抑える方法としては、保険期間を短くする、特定の特約を外す、払込期間を調整するなどの方法が考えられます。
まとめ:自分に合った保険選びは、リスクを知ることから始まる
自分に最適な保険を見つけるためには、まず「どんなリスクに備えたいか」を明確にすることが出発点となります。そして、公的な制度で備えられる範囲を知り、それでも不足する部分を民間の保険で補うという考え方を持つことが重要です。
人生の各段階で直面するリスクや必要な保障は変化していきます。そのため、保険は一度加入したら終わりではなく、定期的に立ち止まって「今、自分にはどんなリスクがあり、それに対して必要な備えは何か」を考えることが、常に自分に合った保険を維持するために大切です。
「パーソナル保険ナビ」は、あなたがご自身の状況に合った保険を見つけるための一助となる情報を提供してまいります。この記事で解説したリスクの考え方を参考に、ぜひご自身の保険について見直す第一歩を踏み出してみてください。具体的な保険商品の比較や検討方法については、サイト内の他の記事もご参照いただければ幸いです。